最初に断わっておきますが、今回はSMとは関係なくマカロンの話を書きます。
以前、奴隷がお菓子教室デビューした話を書きましたが、
今回はそこで奴隷が「マカロン」を作ってきました。

なかなか綺麗ですね。
このお菓子の特徴は、なんといってもこの形です。
「ピエ」という特有のヒダのような部分。
オーブンで焼くときにこの独特の形状に膨らみます。

これが無いとマカロンとは言えません。
しかしマカロンというのはとても繊細で、素人ではこのピエがうまく現れず、
難易度の高いお菓子です。
お菓子教室の経験を活かし、奴隷とマカロンを作ってみることになりました。
教室では緑色の抹茶マカロンでしたが、そこは私ですから
何はともあれピンクのマカロンを作ります。
失敗を見越して、材料は多めに用意されていたので
私はひとまずほぼ、ノータッチで様子を見ます。
当然、途中で退屈してきたので
「喉が渇いたーー」
「まだーー?」
「まだーーーーーーーー??」
と、プレッシャーと横槍を適度に与えます。
『も、申し訳ありません!!』
と、一体何に謝っているのかは不明ですが、
お菓子教室の経験をどこかへ活かそうと奴隷は必死です。
私が見たところ、メレンゲの泡立て方がほんの少し上達し、
ボウルの外への飛び散りが減少。
それにより、私はより至近距離からプレッシャーを与えることが可能になりました。
(今までなら、ハンドミキサーを構えたら私は直ちに物陰へ隠れていたので…ね)
私の出番が増える目覚ましい進歩です。
そんなこんなで、生地が完成。
30分ほど乾燥させた後、オーブンに入れて焼きはじめます。
焼き時間はトータルで15分程度ですが
「ピエ」が出るかどうかは焼きはじめから3分程で勝負がつきます。
諦めなくてもそこで試合終了です。
焼く前には私も「ピエ、出るかな~♪」なんて言っていますが
経験者なら焼く前に成功するか失敗するかくらいはだいたいわかるものです。
正直なところ、ピエが出なかった場合、痛い思いをするのは奴隷の方なので
文字通り私は痛くも痒くもありません。
NO ピエ、NO マカロン
ですが、奴隷にしてみれば
NO ピエ、NO ライフ
です。
祈るような眼差しでオーブンを見つめる奴隷の表情が
みるみる固くなっていく様を私は見届けます。
奴隷の祈りも虚しく、オーブンから出てきたのはこちら。

うん、知ってた。こうなるって知ってた!
まるで河原の石ですよ、流され、角がとれた下流の河川敷よろしくなこの有様。
ピエがどうとか言えるレベルじゃありません。
奴隷も薄々は気づいてたよね。オーブンに入れて2分くらいから
おかしいな~おかしいな~やばいな~やばいな~って稲川淳二と喋ってたと思う。

オーブンの中で暖かい光に照らされるちょっとした未来を垣間見たね。
もうね、あまりの出来栄えの悪さに、三途の川が見えた気がしたよね、
あ、そうだね、これ、積むやつでしょ、鬼に壊されるやつ。そうそう。
え?マカロン?何それ。知らない。賽の河原ごっこですが何か?
だいぶ心が折れたんですが、出来上がりが予想以上に酷すぎたので
もう一度挑戦することに。
と、ここまで書いてだいぶ長いので続きはまさかの次回へ。